外国人採用ノウハウウ

技能実習制度はなくなる?受け入れ企業が知っておきたい制度移行と今後の対応

2026/6/22

  • 受け入れ企業向け

技能実習制度はなくなる?受け入れ企業が知っておきたい制度移行と今後の対応

はじめに

技能実習制度から育成就労制度への移行方針に関する報道を受け、「今後も外国人材の受け入れを継続できるのだろうか」「現在受け入れている技能実習生への影響はどの程度あるのだろうか」と対応を検討されている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。

外国人材の受け入れ制度そのものが廃止されるわけではありません。従来の技能実習制度は「育成就労制度」へと移行し、我が国の深刻な人手不足への対応として、外国人材の育成・確保を目的とした新たな仕組みが整備される予定です。

本記事では、制度移行の背景や企業への具体的な影響、今後の受け入れに向けて今から準備しておくべきポイントを解説します。

読了目安:

5分

目次

技能実習制度は本当になくなるのか

技能実習制度見直しの背景

現行の外国人の技能実習制度は、開発途上地域への技能移転を通じた「国際貢献」を本来の目的として創設された制度です。

しかし、実態としては国内の人手不足を補う「人材確保」の手段として活用されるケースが多く、制度の目的と運用の乖離、あるいは転籍(転勤や転職)制限に起因するさまざまな課題が指摘されてきました。

こうした状況を踏まえ、政府は運用の実態に即した制度の見直しを進め、育成就労制度へ移行したうえで、新たな「育成就労制度」を創設することを決定しました。

外国人材の受け入れは継続される

制度の仕組みは変更されますが、外国人材の受け入れが停止されるわけではありません。

新設される育成就労制度は、「人材育成」に加えて明確に「人材確保」を目的として位置づけており、企業が外国人材を長期的に受け入れやすい仕組みへとブラッシュアップされます。

そのため、企業担当者としては「制度の終了」ではなく「より実態に即した新制度への円滑な移行」として理解を進めていくことが重要です。

育成就労制度とは何か

新制度の目的

育成就労制度は、国内の労働市場における人手不足を解消するための「人材確保」と、中長期的な活躍を見据えた「外国人材の育成」を両立することを目的としています。

3年間の就労期間を通じて一定水準の技能を習得し、専門的な在留資格である特定技能1号・2号へシームレスに移行できるキャリアパスが設計されている点が特徴です。

出典:「育成就労制度の概要」(厚生労働省)(https://www.moj.go.jp/isa/content/001452485.pdf

実態として、従来よりも産業分野の実情や企業側の採用ニーズに即した制度設計がなされています。

技能実習制度・育成就労制度・特定技能制度の比較

育成就労制度は、特定技能1号に必要な技能水準(試験合格等)に達するまでの育成段階として位置づけられています。

企業にとって、短期的な雇用関係にとどまらず、特定技能へのステップアップを通じた「中長期的な人材の定着・定着化」を視野に入れた体制整備が期待されます。

項目

技能実習制度(現行)

育成就労制度(予定)

特定技能制度

制度の目的

技能移転による国際貢献

人材育成・人材確保

即戦力人材の確保

主な対象者

技能を習得する外国人材

日本で技能を身につける外国人材

一定の技能・日本語能力を持つ外国人材

在留期間

最長5年

原則3年程度(制度設計上)

特定技能1号は通算5年、2号は更新可能

転籍(転職)

原則不可

一定要件の下で可能

可能

技能試験

原則不要

段階的な評価を実施予定

技能試験が必要

日本語能力

職種により異なる

一定水準の習得を重視

特定技能1号はJLPT N4以上の日本語能力が必要

監理団体

必要

監理支援機関(予定)

原則不要

登録支援機関

不要

状況に応じて活用

活用可能

特定技能への移行

制度上可能

制度設計の中心

企業が重視すべき点

実習計画の実施

育成・定着支援

戦力化と定着

現在の技能実習生への影響

育成就労制度の施行後も、一定の経過措置(移行期間)が設けられる予定です。

そのため、現在すでに受け入れている技能実習生が、制度開始と同時にただちに在留できなくなるわけではありません。

ただし、新規の受け入れ手続きや在留期間の更新など、段階的な対応が必要となるため、出入国在留管理庁などの公的機関から発信される最新情報を適時確認することが推奨されます。

これから技能実習生を受け入れる場合の流れ

育成就労制度の開始に向けた移行期間中においても、現行の技能実習制度に基づいた外国人材の受け入れ手続きは継続されています。(2026年6月時点)

一般的な受け入れの基本的なプロセスは以下のとおりです。

手順

内容

1

受け入れ職種・人員計画の整理

2

監理団体の選定

3

技能実習計画の作成・認定

4

在留資格認定手続き

5

入国・住居の準備

6

技能実習の開始

7

労務管理・生活支援

特に初めて受け入れる企業においては、現状のルールに則り、信頼できる監理団体と十分に連携しながら準備を進めることが大切です。

制度移行に向けて企業が準備すべきこと

受け入れ体制を見直す

育成就労制度では、従来の「育成」だけでなく、長期就労を想定した「定着支援」の重要性がこれまで以上に高まります。

企業には、適切な就労環境の提供はもちろん、長期的なステップアップを支援する社内教育やフォロー体制の構築が求められます。

具体的には、以下のような項目の見直しや強化が有効です。

  • 段階的な日本語習得支援の実施

  • 社内における相談窓口の明確化

  • 現場における指導・教育責任者の適切な配置

  • 定期的な個人面談の実施

  • 日常生活までカバーする支援体制の整備

住居・生活支援を整備する

外国人材が日本で能力を発揮し、安心して就業するためには、生活環境の整備が欠かせません。

特に入国直後は、住居の確保をはじめ、各種行政手続き、銀行口座の開設、生活インフラ(携帯電話・電気・ガス等)の契約など、多岐にわたるサポートが必要となります。

これらの実務負担をすべて社内リソースだけで賄うのは困難な場合があるため、信頼できるアウトソーシング(専門支援サービス)の活用も選択肢として検討することをおすすめします。

DARUMAでは、外国人材の入国後の初期の生活立ち上げを支援し、企業の実務負担を大きく軽減する各種サービスを提供しております。新制度への移行期における受け入れ体制づくりにお悩みの際は、ぜひこちらからお気軽にご相談ください。

最新情報を継続的に確認する

制度の移行期においては、詳細な運用ルールや提出書類の手続き方法が順次更新される場合があります。これまでの知識のみに依存せず、出入国在留管理庁や厚生労働省といった公的機関が発信する最新情報を定期的にチェックすることが重要です。

また、自社に適した対応方法について、監理団体や行政書士、社会保険労務士などの専門家にアドバイスを求めることも確実な手続きにつながります。

まとめ

技能実習制度の見直しは、外国人材を雇用する多くの企業にとって関心の高いテーマです。しかし、外国人材の受け入れが途絶えるわけではなく、より「就労と育成」に最適化された育成就労制度へと引き継がれるプロセスと言えます。

企業担当者が特に押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 技能実習制度は「育成就労制度」へ発展的に移行予定

  • 人材の確保と育成を両立し、今後も受け入れの枠組みは継続

  • 現在就業中の技能実習生に対しては、一定の経過措置が適用

  • 長期的な定着を見据えた人材育成・キャリア支援の重要性が向上

  • 住居手配をはじめとする、生活面を含めた総合的な受け入れ体制の整備が必要

激動する制度移行期を乗り越え、円滑に採用・育成を進めるためには、制度情報の収集だけでなく、入国後の定着を支える生活サポート体制の確立が重要です

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